おれよりカリスマだった。ー映画「マイケル」を観てー

マイケルを観てるフクマル 映画

先日、映画『マイケル』をDolbyアトモスで観てきた。

きっかけは、友人からの一本の電話。

マイケルをDolbyで観てきたけど、めちゃくちゃ面白かったよ!
ふくまる、ぜったい楽しめると思う。オススメ。
体罰のシーンがあるから、それについてもどう思うか感想聞かせて。

感想を聞かせて―

その一言で、もう決まってた。

意見を求められると、喋りたくてたまらなくなる生き物、それが人間。それが私。

というわけで、聞かれてもいないのに、映画『マイケル』の感想を長々と書いていきます。

マイケルの映画館前

カリスマはどう振る舞うのか

映画を観て、一番思ったこと。

マイケル、カリスマだわ。

いや、知ってる。

世界中が知ってる、キング・オブ・ポップだって。

でも、私が感じたカリスマ性は、歌でもダンスでもなくて、彼の振る舞い。

映画の中で「Billie Jean」をテレビで流すよう交渉するシーンがある。

そこでマイケルが、

「黒人専用席に座れと言われたくない」

という発言をする。

このシーン、結構くらった。

マイケルは、自分がどう見られるかを常に意識していたのかもしれない。

もちろん、自身の尊厳を守るためというのは大前提として伝わってる。

でも、それだけじゃないように感じた。

まだ黒人差別が色濃く残る時代。

彼は、黒人の子どもたちの、憧れそのものだったはずだ。

憧れている人が、そんな扱いを受けてるとこを見たら、きっと子ども達は、すごく悲しむ。

だからこそ、「黒人専用席に座れと言われたくない」の発言だったのかなと思った。

何を受け入れて、何を受け入れないのか。

自分がどう見えるかを、自分でコントロールする。

これぞ、カリスマだ。

この振舞いは一体どこで、身につけたのか―

ジョセフ・ジャクソン

映画を観るまで、
マイケルについてほとんど知らなかった。

メジャーな曲を数曲と、キレキレのダンス。

そのくらい。

だから、勝手に思っていた。

小さい時から歌が上手くて、ダンス頑張ってスターになったんだろうな。

全然違った。

マイケルの出身地は、
アメリカ・インディアナ州のゲーリー。

鉄鋼で栄えた街だ。

しかし、マイケルが育った1960年代。

街は少しずつ廃れていった。

父親のジョセフ・ジャクソンは、

若い頃ボクサーを目指していたが、結婚を機に引退。

製鉄所のクレーン操縦士として働いていた。

音楽活動もしていたが、こちらも成功することはできなかった。

そんなジョセフが、子どもたちの才能に気づいた。

「こいつらには才能がある。」

ジョセフは、子どもたちを徹底的に練習させた。

そして、ジャクソン5を世界へ押し上げていく。

映画を観ながら思った。

子ども達は、ジョセフがサバイヴするための武器だったんだ。

廃れていく街。

ボクシングや音楽では成功できず、製鉄所で働く自分。

家には養うべき大勢の子ども。

そんな中、子どもたちに才能を見つける。

そしてジョセフは、それを徹底的に磨いた。

良くも悪くも。

カリスマ的じゃない

印象的なシーンがある。

ジャクソン5のライブが終わった後。

満足して帰ってきたマイケルたちに、

ジョセフは「今から練習しろ」と言う。

それに対して、嫌だと言うマイケル。

ジョセフはブチ切れる。

ベルトでマイケルを何度も打つ。

泣き叫ぶ、8歳のマイケル。

壮絶なシーンだった。

わたしは体罰はしない。

カリスマ的な振る舞いではないと思うからだ。

自分より力の弱い人間に、力で伝える。

まったくカリスマ的じゃない。

ただ、

”体罰をした”

その一点だけを切り取って、その人全体を否定するのも違うと思った。

子どもたちの才能を見抜き、磨き上げ、世界へ押し上げたプロデュース能力はすごい。

結果それで、
ジャクソン一家が裕福になったのは事実だ。

でも、あの夜の記憶は、きっと消えない。

それでも、8歳のマイケルは、そこから這い上がるしかなかった。

這い上がったからこそ

Dolbyアトモスのマイケル

マイケルは、最初からキング・オブ・ポップだったわけじゃない。

廃れていく街に産まれ、

小さな家で、大家族と暮らした。

幼いころからステージに立ち、

父親から異常なほどの完成度を求められ、

どんな日も練習し、ベルトで打たれた。

黒人アーティストとしての壁もあった。

一筋縄じゃない。

まったく、一筋縄じゃなかった。

ジョセフが、

サバイヴするために子どもたちを磨いたように、

マイケル自身も、父親からの支配、人種の壁、ひとつずつ越えて、サバイヴしたんだ。

「Billie Jeanをテレビで流してほしい。」

自分の作品には価値があるから。

そんな振る舞いができたのは、一筋縄ではいかない人生を、這い上がってきたからだ。

それが、カリスマ的な振る舞いに繋がっているのかもしれない。

あとがき

とにかく面白い映画だった。

音楽めちゃくちゃいい。

ダンスも超カッコいい。

そして何より、マイケルのことが好きになる。

悔しいけど、彼は俺よりカリスマだった。

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